インフラエンジニアの構築業務とは?底辺エンジニアの脱出

基盤と企業でPCを使う人 ITエンジニア(インフラ)
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インフラエンジニアの業務の中に、「構築」というワードが良く出てきます。


構築経験があります や、構築ができます と表現したりしますが、



実際、エンジニアの「構築」業務とは何なんのでしょうか?

何をもって「構築」ができる言えるのでしょうか?



筆者について簡単に自己紹介を致します。

▼筆者の紹介(ITエンジニアとしての業務経験)
IT業界経験年数 7年(営業経験:4年SE経験:4年)

▼案件や業務の経験
・PCキッティング・展開
・各種ネットワーク詳細設計・構築
・各種サーバー設計・構築
・ヘルプデスク(Windows、Office365製品サポート)
・仮想化設計/構築
・クラウド設計/構築


構築業務とは、詳細設計書(パラメータシート)インプットとして、 インストールや設定作業等を行い、システムを作成する業務になります。

設計工程に進む上で、必ず経験の必要な工程が構築工程です。
また、キッティングや展開といった底辺の作業からステップアップしやすい業務でもあります。


実際の構築作業は、どんなことをやっているのか?

なぜ、構築は底辺作業(キッティング)からステップアップしやすいのか?

実際に構築案件にステップアップするためにはどうしたらいいか?

実際、構築するときの留意点は?


上記のような疑問について、筆者の実務経験を元に記載していきます。

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実際の構築業務の例について(筆者経験:バックアップサーバの構築)

実際の構築作業では、こんな流れで作業をしていきます。

まず、基本的構築作業の前工程として、下記のような工程が完了していることが前提条件です。

▼構築工程前に完了している工程

・基本設計
・詳細設計(パラメータシート)


今回の例では、Windosサーバ2016でバックアップサーバを構築した例(筆者の実体験)となります。

この時、既に下記のようなドキュメント(パラメータシート)が出来上がっています。

・Windowsサーバ2016のパラメータシート
・バックアップシステム(Backup exec)のパラメータシート


上記をもとに、サーバの作成作業を行っていきます。

作業①:WindowsServerのインストール・設定(物理サーバ)※

今回構築するサーバは、「物理」サーバです。

物理的なサーバそのもの(ハードウェア)が、データセンターに納品、ラッキングされます。

一番始めの作業としては、物理的なサーバ(ハードウェア)にWindowsServer2016のOSをインストールします。

OSのインストールが完了したら、「Windowsサーバ2016のパラメータシート」に沿って、設定をしていきます。

※実例では、この作業①については、筆者では無く他ベンダーが担当し、作業を行いました。

作業②:バックアップシステム(Backup exec)のインストール・設定

作業①でOS設定された環境が、別ベンダーから私に引き渡されました。

実際には、データセンターに設置された物理Windowsサーバへ、筆者が常駐しているSIerのオフィスからリモートアクセスを行って作業をしていきます。

バックアップシステムのインストールが完了した後は、バックアップシステム(Backup exec)のパラメータシートに沿って、設定をしてきます。

実際の作業について、簡単に箇条書きをします。

<実際のバックアップサーバ構築作業の実務例>

・作業用端末を準備する(サーバへリモートアクセスをする端末)
・Backup execのインストールメディアを使用し、サーバへBackup execをインストールする
・インストール完了後、パラメータシートに沿って設定を行う


ここまでが、構築作業に関するザックリな説明となります。

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構築とキッティングの違いは 「専門知識の要,不要」

構築 とキッティング作業※について、筆者は業務経験を積むまでは、上手く説明ができませんでした。

実務を経験後、両者の違いは 専門知識の要・不要 だと筆者は認識しています。

▼構築とキッティング作業の違い

<構築>
インプット資料は「パラメータシート(パラメータ情報)」のみ。
上記資料のみで、設定作業を行っていく。

<キッティング>
インプット資料は「作業手順書」(場合によりパラメータ情報も)
作業手順書の内容通りに、設定作業を行っていく。

キッティング作業は、作業手順書通りに作業を行えばいいので、専門知識が不要 になります。

構築作業は、 作業手順書は基本的にはありませんので、作業を行う手順の把握、調査、検証が必要になります。 つまり専門知識が必要 となります。

※キッティング作業の詳細については、下記記事も合わせて確認してみてください。

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構築の作業の留意点(必要となる細かい作業)

以上を踏まえ、もう一度バックアップサーバの構築作業実務を例に、
実際の業務の留意点についてかみ砕いていきたい思います。

<実際のバックアップサーバ構築作業の実務例> + 留意点の一例

・作業用端末を準備する(サーバへリモートアクセスをする端末)
 →リモートアクセスするサーバのIPアドレス情報、OSのユーザ・パスワード情報が必要

・Backup execのインストールメディアを使用し、サーバへBackup execをインストールする
 →物理筐体はデータセンタにあるため、リモート環境からどのようにインストールメディアのISOイメージデータを移動させるか
 最新のBackup execのインストール手順の事前調査・検証

・インストール完了後、パラメータシートに沿って設定を行う
 →最新のBackup execの設定手順について
 バックアップを実際に取得する対象サーバとのNW疎通確認、バックアップエージェントのインストール 等
 

実際に構築作業をする際は、上記の様な留意点を加味しながら作業を行っていく必要があります。

キッティング作業のように、作業手順書だけに沿って業務をすればいいというわけではありません。

キッティングから構築案件へキャリアアップのためにはどうしたらいい?

キッティングから構築案件へキャリアアップするには、どうしたらいいでしょうか?

結論は、構築経験を実施し、身につけてしまうこと です。

私は、構築作業の前に、Windowsサーバのキッティング作業を行った経験がありました。
作業内容は下記です。

▼筆者が経験していたWindowsサーバのキッティング作業内容

・サーバの開梱(段ボールから出す事)、設置、配線
・Windowsサーバの初期設定(インストール自体はされている、プリインストール)
・Windowsサーバの設定(手順書あり)
・MW、APなどのインストール、設定(手順書あり)


実は、構築業務もキッティング業務も、サーバの設定をしているという点は、ほぼ同じはずです。

違いは、手順書があるかないか。です。

私は、上記の経験だけでしたが、手順書は無くとも作業は可能な状態になっていましたので、
「構築に近しい作業経験はある」とスキル概要に記載としました。

構築の一連の作業を経験(自前環境でOK)して、ステップアップしよう

ここまで、構築作業の細かい内容について、キッティングと構築作業の違いについて記載してきました。

「構築作業の経験があります」 という方の中には、キッティング経験(作業手順書が無いと作業ができない)と履き違えている技術者の方もたまに居ます。

その場合、自分で調査、検証をする力が身についていないので、構築業務をこなすのは難しい場合が多いです。

逆に考えれば、キッティングから構築作業にステップアップしたい場合は、手順書無しでサーバ構築に関わる一連の作業の経験をしてしまえば、それだけでOKです。


実際の案件で経験できない場合は、自前の環境で構築をしてしまえばいいだけの話です。

是非、キッティング業務から構築作業・案件へのステップアップをしてみたいという方は
参考にしてみて下さい。


インフラエンジニアとしてのキャリアアップについては、下記記事も合わせて確認してみて下さい。