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PCキッティングは底辺の仕事?といった疑問について、筆者の実際のキッティング業務経験を元に記載します。
筆者について、簡単に紹介させて頂きます。
▼筆者の紹介(ITエンジニアとしての業務経験) IT業界経験年数 8年(営業経験:4年SE経験:6年) ▼案件や業務の経験 ・PCキッティング・展開 ・各種ネットワーク詳細設計・構築 ・各種サーバー設計・構築 ・ヘルプデスク(Windows、Office365製品サポート) ・仮想化設計/構築 ・クラウド設計/構築
筆者のSEプロフィールの詳細については、下記記事で紹介しています。
筆者の経験から率直に申し上げると、キッティング作業は特別なITスキルこそ不要ですが、
基本的に単調な作業が多く、きつい業務だと感じています。
なぜ、キッティングが底辺と呼ばれるのか?
筆者の経験を元に、それぞれ実例を交えてながら記載していきます。
PCキッティング作業がきつい理由(肉体的・精神的な要因)については、下記記事も参考にしてみて下さい。
キッティングが底辺と言われる理由①:技術レベルが底辺
キッティングは、基本的にはITスキルの低い方 が行う作業です。
特別なITスキルは必要なく、ノートパソコンや一般的なパソコンを操作できるレベルの方であれば、誰でも作業ができます。
つまり、誰でもできる作業 = 技術レベルが底辺 な業務と言えます。
キッティングが底辺と言われる理由②:業務環境が底辺
PCキッティング作業は、基本的にきつい環境で作業をする事が多いです。
例えば、大量のパソコンやタブレット等を設定する作業の場合、作業場所としてよくあるのが、
倉庫・工場などといった業務環境です。
その他、オフィスや学校等で作業を行う事もありますが、人の居ない時期(オフィスであれば平日以外、学校であれば長期休暇の時)に作業を行う事も多く、場合によっては空調が止まっているといった事もあります。
実例:真夏の職員室でのキッティング作業(エアコン無し)
筆者が体験したキッティング作業の中で一番しんどかったのが、「真夏の学校の職員室で行うノートPCのキッティング作業」(エアコン故障)です。
基本的に学校の職員室はエアコンがかかっていて涼しいのですが、とある学校でたまたまエアコンが故障していて、スラックス・Yシャツ姿で、汗だくになりながら作業をした辛い記憶があります。
キッティングが底辺と言われる理由③:労働条件が底辺
PCキッティング作業は、労働条件がなかなか過酷 事が多いです。
例えば、待ち合わせ時間が異様に朝早かったり、賃金が安い、休憩時間がなかなか取れない 等といった具合にです。
待ち合わせ時間が異様に早い(駅から現地まで遠い)
キッティング作業は基本的に時間厳守 です。(何の仕事でも同じですが)
ですが、キッティングに来る作業者は、社会人のマナーが低い方も多く遅刻 する方がたまにいます。
遅刻の対策として、待ち合わせ時間が異様に早く設定されているケースが多いです。
また、キッティングの作業現場は、物流倉庫等、駅から遠い(徒歩15分以上)ケースもよくあります。
上記の理由から、作業が9:00開始だとしても、最寄り駅には8:00頃には着く必要があったりします。
朝が苦手な方には、なかなか辛いかもしれません。
賃金が安い(底辺)
キッティングは、企業間の取引金額で、1日当たり15000円~という相場です。
作業者に支払われる金額は、企業間の金額よりも低いので、とにかく安いです。
IT会社の社員としてキッティングをしたり、
単発でバイトとしてキッティングをしたり、様々な労働ケースがありますが、
時給換算すると、精々1000円~1500円程度の賃金なケースが多いです。
休憩時間がなかなか取れない(肉体的にきつい)
キッティングの現場のやり方次第ですが、
休憩時間は お昼の1時間だけ といった考えの現場に当たってしまった場合、かなり肉体的にキツイです。
椅子あり座って作業ができる現場ならまだマシですが、最悪、立ちっぱなしで作業という事もあります。
その場合、午前の3時間・午後の5時間 は立ちっぱなしという事もありえます・・・。
(筆者が運悪くそんな現場に当たってしまった時は、トイレ休憩を1時間に1回程度取るようにし、対策を取っていました。)
キッティングが底辺と言われる理由④:非常識、変な人しか集まらない
キッティングは特別なITスキルが不要の為、「パンピー※」が集まって作業をします。
※パンピー = 一般ピープル の略: 一般人 です
本当の一般人(普通の人)ならまだいいのですが・・・・
キッティング作業は、スキル要件が低かったり賃金も安いことから、集まる人材も、残念ながらそれ相応の、変な人 しか集まりません。。
大手IT企業の作業者では、業界に入って間もない若手が作業をする事もあったりして、
その場合はまだいいのですが、
酷い場合だと、ITの知識がほとんどないおじさん が現場に来る事も結構多いです。
私が直面した、キッティング作業者:変な人の実録をいくつかご紹介します。
実録 変なキッティング作業者:技術レベルが低すぎる、報連相できない系
キッティング作業者あるあるのパターンです。
よく居ますので、まだかわいい方です。
①タブレットを扱ったことが無い(操作できない)
②作業ミスが多い(作業の説明書の内容が理解できない)
③作業ミスをしても報告を上げない
④何度も同じミスをする
作業は基本的に、手順書と呼ばれる作業説明書に従って作業を行います。
手順書通りに作業ができない方や、同じミスを何度もしてしまう方は、残念ながらよく居ます。
私が覚えている一番手ごわい事例は、パスワードを2回間違えて入力(入力ミス)してしまい、入力ミスのパスワードで登録してしまった作業者さんです。。
→お客様に平謝りしました。
実録 変なキッティング作業者:社会人常識・モラル・マナーレベルが低い系
一般的な社会人としての常識や、モラル・マナーが無い方々です。
例えば、下記のようなケースがありました。
①作業中に私語が多い
②足を組んで作業をする
③端末を手荒に扱う(落とす)
④連絡が無いまま遅刻をする
どれも詳細は説明不要かと思いますが、ちょっと社会人として意識の低い方 がよくキッティングの現場には居ます。
お客さん(エンドユーザー)が居ない時に少し雑談をする 等、 TPOをわきまえてくれれば問題無いのですが、お客さんの前でしゃべり続ける猛者 もいるので、クレームにならないように気を遣ったり、時には注意が必要なケースもありました。
実録 変なキッティング作業者:実際にクレームになった系
筆者の経験上、実際にエンドユーザーからクレームをもらったケースを記載します。
①顧客周辺でタバコを吸ってクレーム
一昔前であれば、路上喫煙くらいでは問題にならなかったかもしれませんが、
顧客の小学校の校門付近で作業者が喫煙している姿 をエンドユーザーが目撃し、顧客からクレームが入りました。
②顧客先で勝手にゴミを捨ててクレーム
③パソコンに同封されているライセンス証を勝手に捨ててクレーム
そのままです。お昼休み等は持ち込みで飲食する事も少なくありませんが、そのまま顧客先のゴミ箱に了承無く 捨てて、クレームになりました。
④勝手に転んで歩けなくなった(作業続行不可)
どうやらもともと 足の悪い作業者の方 だったようなのですが、
作業中、階段で何度も転び、歩けなくなって作業が続行不可となったケースがありました。もはや訳が分かりません・・・。
キッティング業務はスキルが低い業務。集まる人も相応の人しか集まらない。キャリアアップしていこう。
キッティングの業務は、スキルも必要が無い事から、「誰でも」できる業務です。
スキルが必要が無い作業が故、売上も安く、作業者として受け取る給料も末端価格です。
また、この仕事を一生続けて食べていくというのは、残念ながら不可能です。
未経験からエンジニアになるための入り口として入るのは良いですが、年齢では「30代くらい」までが限界でしょう。
この業務に終わらず、先のエンジニアとしてのキャリアプランを見据える事が大事です。
インフラエンジニアとしてキャリアアップしていくための手順、フローについては下記記事で紹介しています。こちらもよろしければご覧ください。