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中小企業のITエンジニア(インフラエンジニア)の給料は、それほど高くない?
SES企業のITエンジニアは、給料が安い?
ITエンジニアは、給料がなぜ低いのか?
ITエンジニアは、稼げますか?と聞かれた場合、
中小IT企業だと、平均よりは低い場合が多いと思う と筆者は答えると思います。
筆者について、簡単に紹介させて頂きます。
▼筆者の紹介(ITエンジニアとしての業務経験) ・IT業界経験年数 7年(営業経験:4年 SE経験:4年) <案件,業務経験要約> ・PCキッティング・展開 ・各種ネットワーク詳細設計・構築 ・各種サーバー設計・構築 ・ヘルプデスク(Windows、Office365製品サポート) ・仮想化設計/構築 ・クラウド設計/構築
筆者のSEプロフィールの詳細については、下記記事で紹介しています。
ITエンジニアへ転職しようとした場合、大手企業やSIerといった会社もあれば、
社員数数十人以下の、中小企業まであります。
中小企業(特にSESメインの企業)の場合、インフラエンジニアの給料は、
売上の仕組みの都合上、高く設定することはできない背景があります。
なぜ、中小企業の給料は安いのか?
また、どのような仕組みで、エンジニアの給料は決まるのか?
筆者の経験を元に、理由について大きく3つ、記載していきます。
理由1:案件の単金 ー 会社の取り分 = エンジニアの給料
まず、エンジニアの皆さんは、IT業界のお金の流れについて、理解はありますか?
もう少しかみ砕けば、自身の給料はどのようにして、会社から支払われているか?という事です。
一般的には、 社員一人あたりの売上(単金) から、 会社の取り分(利益や経費等)を差し引いた金額が、エンジニアの給料となります。
理由2:自身の単金以上は給料が高くならない
例えば、自身のエンジニア単価(売上)が 月/50万円だったとします。
このエンジニアの給料は、50万円以上となる事は、あるでしょうか?
答えは、NO です。
管理職等、特別な例を除き、エンジニアの給料は、エンジニア自身の売上を超えることは決してありません。
理由3:中小IT(SES)企業は、単金の5割前後の設定が多い
筆者の経験上の感覚ですが、 ※中小のIT企業 では、エンジニアの給料の相場は、単金(売上)の50%前後となることが多いと感じています。
※中小企業= 社員数50人以下の規模
ですので、 単価60万円の社員は 給料が30万程度。
単価50万以下の社員は、 給料は20~25万程度といった具合です。
この数字だけみると、 単価60万円の売上の場合 「会社の取り分」は、約30万円となりますが、
この30万円が全て会社の利益となるわけではありません。
会社の取り分 – (社会保険,維持費,リスク費等) =利益
会社の取り分から、エンジニアの社会保険の会社負担や、会社の維持費(オフィスの賃料等)、リスク費等を差し引いて、ようやく会社の利益となります。
社会保険費用は、社員の給料(賃金の額)によって決まるものですが、維持費やリスク費等の計上は、会社よって変わってきますので一概にはいくらとは言えません。
しかし、中小企業の場合、リスク費は重要な項目となります。
一番の理由は、「社員が非稼働となった場合の費用が必要」だからです。
エンジニアが非稼働(売上0) とは?
簡単な例で説明をします。
エンジニア10人、1人60万円の売上を上げていたとします。
10人が全て、順調に1ヶ月稼働していてくれれば、 1ヶ月の売上は600万円となります。
会社の利益が5%だとしたら、 1ヶ月の利益は30万円となります。
30万円 ×12カ月 = 1年で360万円の利益となります。
もし、1人のエンジニアが1ヶ月、非稼働となった場合はどうなるでしょうか?
1人が1ヶ月売上0ですので、60万円の売上がそのまま無くなります。
年間の利益からみると、 360万円の利益想定が、300万円となります。
が、まだ黒字ですね。
もし、1年間のうち、10人のエンジニアが、全員が1ヶ月ずつ非稼働期間があったとなった場合はどうなるでしょうか?
10人が1ヶ月ずつ売上0ですので、 600万円マイナスとなります。
360万円の利益想定からマイナス600万円ですので、 マイナス240万円の赤字となります。
このように、SES等の人月契約による売り上げがメインとなる中小企業の場合、
抱えている社員(エンジニア)のうち、1人でも非稼働となった場合、売上(利益)に直結してきます。
また、新人や若手等は、案件へ参画できる可能性が経験者より低いため、非稼働を見据えた売上の管理を会社はしていく必要があります。
中小企業ほどリスク費は高く見積もる為、エンジニアの給料は低くなる
もし、売上が赤字となった場合でも、会社は社員へ給料を支払わなくてはいけませんし、
オフィスの賃料や通信費等の維持費もかかってきます。
会社が赤字となっても倒産しないためには、資産(資本金等)を貯めておく必要があるのです。
つまり、中小企業ほど、倒産しないためにも、リスク費は高く見積もる必要があります。
よって、社員の単金から指し引くリスク費の割合は高くなる可能性があると言えます。
すなわち、会社の取り分(リスク費等)が高くなれば、それだけ、社員の給料は低くなるという事です。