【転職・就職希望者向け】IT業界は残業が多く、きつい業界なのか?

身体を伸ばして休憩する男性 ITエンジニア(インフラ)
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こんにちは。terminationです。

IT業界ってブラックですか?」と質問を受けたら、私はこう答えます。

IT業界自体はブラックな業界では無いが、時と場合、
状況により長時間労働等、一般的にいう「ブラック」な業務環境になりうる可能性はある。


筆者はIT業界で7年、またインフラエンジニア(SE)として4年業務を行ってきています。
これまでの経験の中では、残業や徹夜対応等、長時間労働を止む無く行った事もありました。

また、筆者はIT業界以外にも「飲食業界」や「介護業界」等の業務経験もありますが、
業務時間という点においては、IT業界が特別に多い業界 という事では無いと感じています。

IT業界自体はブラックでは無いが、ブラックな労働環境になりうる可能性はあります。

大事な事は、ブラックな環境になってしまう仕組みを理解し、ブラックな状況を
未然に防ぐ事と、またブラックな状況になってしまったとしても、上手くかわす術を心得る事
だと私は考えます。

この記事では、IT業界のブラックな業務状況について、下記の観点で書いていきたいと思います。

この記事の内容
・どんな時がブラック?(ブラックの定義とは)
・無茶なノルマ(多い業務量)が発生する仕組みについて
・無茶なノルマ(多い業務量)を防ぐために
・それでも発生した場合の考え方


IT業界には、アプリ・WEB・開発系といった分野と、インフラ系と呼ばれる分野があります。
筆者はインフラ分野でのSEになりますので、この記事は筆者のインフラ系
における業務経験を元に記載しています。

筆者のSEプロフィールは、下記をご覧ください。


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どんな時がブラック?(ブラックの定義とは)

まず、ブラックの定義について、おさらいしてみたいと思います。

誰が見ても明らかな、また度を超した状況(残業が月に何百時間、明らかないじめ・いやがらせなどの人間関係、給料未払い等・・)については、少なくとも私の業界経験では見た事はありませんので、
この記事では、取り扱いを割愛したいと思います。
(もし、度を超した状況に遭遇してしまった場合は、自身の管轄の労働局へ速やかに相談する事をお勧めいたします。)

IT業界で発生する可能性のあるブラックな状況について、定義を少し整理してみます。

IT業界で発生する可能性があるブラックな状況とは
・無茶なノルマ(多い業務量)
・長時間の残業(サービス残業)
・精神的に苦痛を受ける状況(業務、人間関係、言葉等)


上記を元に、この記事では「無茶なノルマ(多い業務量)」の仕組み、対処法について、
続けて書いていきます。

※他の状況「精神的に苦痛を受ける状況(業務、人間関係、言葉等)」「サービス残業」は別記事で詳細を書きたいと思います。

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無茶なノルマ(多い業務量)が発生する仕組み

業務量が多くなってしまう、結果的に業務のノルマ(期限)が無茶となってしまう事は、ほとんどの場合において、
管理者による作業の見積もりと、実際の作業時間にギャップが生まれる事」が原因です。

無茶なノルマ(多い業務量)についてですが、ITエンジニアの業務では「よく、あります」というのが印象です。
正し、「業務量」というものが、エンジニアの仕事の場合は目に見えて図りづらいというのが特徴としてあります。

そして、図りづらい、解りづらいエンジニアの業務量の見積もりを管理者が見誤ったとき、
作業の見積もり実際の作業時間にギャップが生まれます。

エンジニアの業務量とは?(工数)

エンジニアの業務量の考え方について、一般的な考えの「工数」について記載します。

エンジニアの業務量とは、業界では「工数」という名称で呼ばれたりすることが多いです
それぞれ、労働時間に換算すると下記のような形になります。

IT業界における工数とは

1日分の業務量= 1人日(8時間)
0.5日分の業務量=0.5人日(4時間)
1ヶ月分の業務量=1人月(30日)

大抵、作業の見積もりをするとき、この作業は1人日くらいで終わる作業かな、
これは4時間くらいで終わる作業かな、といった作業時間を見積もっていきます。

無茶な業務量が発生する仕組みについて

では、実際にどのようにして、労働者に無茶な業務量が発生するのか?
仕組みについて続けて説明します。

解りやすい例だと、下記のようなケースです。

<業務量を見誤るケース>
・「A作業」は8時間で終わると見積もり、作業者に1日で作業を指示した。
 →実際は8時間では到底終わらなかった為、作業者は2時間の残業をした。

<祝日等を含めた稼働日を見誤る>
・「B作業」は22日で終わると見積もり、作業者に2月の1ヶ月で作業を指示した。
 →2月は暦上、平日の稼働日が18日しかなかったため、4日分稼働日が足りない結果となった為
  作業者は4日間の休日出勤をした。

上記のように、作業の見積もりと実際の作業時間にギャップが生まれてしまう事は、
IT業界ではよくある事です。
問題なのは、このギャップの埋め方です。

生まれたギャップを、スケジュール調整では無く、「力技」で埋めようとする

例えば上記の<業務量を見誤るケース>の場合、「実際は8時間では終わらなかった」とあります。

ここで、「この仕事は、次の日に回す事はできないのか?」というシンプルな疑問が浮かびます。

→次の日に仕事を回すことができた場合、「無茶な業務量」は回避されます。
→次の日に回せない場合、「残業」となります。

実際にはもう少し複雑なケースもありますが、残業や長時間労働が発生するケースの根本理由は、大抵この 「想定作業時間と実際の作業のギャップ」が原因である事がほとんどです。

ポイント
無茶なノルマ(多い業務量)が発生するPOINT
・作業時間の見積もりと、実際の作業時間のギャップにより発生する
・スケジュール調整が可能であれば、残業は発生しない
・ギャップを力技で埋めようとした場合、残業や休日出勤が発生する
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無茶なノルマ(多い業務量)を防ぐための考え方(労働者側の対処)

次に、実際に無茶なノルマ(多い業務量)を未然に防ぐ、また避ける(対処)する考え方を記載します。

無茶なノルマ(多い業務量)を未然に防ぐ考え方

■作業時間の認識合わせを、管理者と詳細に取っておく
 →まず、想定と実際の作業時間のギャップが多く発生しないように、作業の確認を取っておく。

■作業の進捗を、定期的に報告する
 →作業が想定通り順調であれば良いですが、想定外のトラブルが起きたり、また思ったよりも進捗が思わしくない時は、定期的に作業の進捗状況を共有するようにする。

■作業時間は、予想の1.5倍~2倍、時間を予め多く見積もっておく
 →「この作業は2時間くらいで終わるかな」と思っても、「実際は3時間もかかってしまった」という事はよくあります。作業時間は多めに見積もっておくことが大事です。

それでも無茶なノルマ(多い業務量)が発生した場合は

しかし、どんなに未然に予防策を講じていても、実際に業務量が膨れてしまう事はあります。
また、基本的に業務量は管理者側によりコントロールされるため、労働者側では未然に防ぎきれないのも、仕組み上致し方ありません。

その際の考え方を記載します。

実際に残業や多い業務量が発生し、対応を迫られた場合は、手段は2つしかありません。

一つは、対応する事 もう一つは、対応しない事 です。

自身の体調や予定を考慮して、対応可能であれば対応する。
難しい場合は、対応を断る事が重要となってきます。

対応を断ることが難しい場合

実際問題としては、対応を断ることが状況により難しいというのが実情としてあると思います。
しかし、自身の体調や意志に反して残業を行う必要性は全くありません。

ここで、「強制的に」実質残業や休日出勤を迫られた場合、それはブラックな状況と言わざるを得ません。

残業をしたくありません。とは実際はなかなか言えないでしょうから、
多少盛ってでも「体調が優れない」「家庭の事情により」等の理由をつけて、残業を回避する事も時には必要と思います。

まとめ

・IT業界自体はブラックでは無いが、時と場合により長時間労働等の状況が発生することはある
・無茶なノルマ(納期)残業は、業務時間のギャップの埋め方により発生することがある
・残業が発生しないよう、作業の認識合わせ、定期的な報告をすることは重要
・労働者の立場では、未然に防ぎきれない事が多い
・止む無い時は自身のできる範囲で対応する、難しい場合は必ず断る事が重要

IT業界はブラック業界なのか?という事と、
長時間労働が発生する仕組み、対応方法についてこの記事では記載いたしました。

冒頭にも記載しましたが、IT業界が特別残業が多い業界 という事は無いと感じています。
むしろ、他業界に比べて、自分でコントロールが効かせられる事が可能な業界と筆者は思っています。

正し、環境や経験等の要因により、コントロールが効かず、知らず知らずのうちに残業を迫られている・・。という事態は、無いとは言い切れません。

管理者側がまず厳密に業務量をコントロールするのは大前提ですが、労働者側も、業務の仕組みを理解する事が重要と思っています。